ハルのこと②

2015/8/2(日) 

車で30分の、設備の整った動物病院を受診しました。
そこは地下1階地上3階建て、診察室4つ、先生も複数いて、大きな病院でした。
 
まずは採血。かかりつけ医でやった10日前の採血結果と照らし合わせました。
白血球数がかなり上昇、そしてヘマトクリットが下がり、貧血になってるとのこと。
レントゲンを撮ると、胸水と腹水が貯まってることがわかりました。
それと、触診にてお腹のなかになにか触れるものがあると。超音波でもそれがわかったので、CTを撮ることになりました。無麻酔でCTを撮るということは、押さえてる先生やスタッフが被曝することになりますが、それでもなるべく無麻酔で撮るという院長の方針とのことです。頭が下がります。
 
CTが終わり、診断が下りました。
「縦隔型リンパ腫」
「腸管型リンパ腫」
ようするに血液のガンです。
 
リンパ腫ということを知ったショックと、原因不明でもやもやしてたのが晴れた気分が入り混じり、複雑な気持ちでした。
 
混乱する私達にもわかるように、先生は順序だって説明してくれました。
抗がん剤を投与できるほどいまは体力がないので、まずは体力回復を。抗がん剤は副作用もあるので、するしないは家族でよく考える。
胸水と腹水を減らすため、利尿剤。食欲増進と腫瘍への効果を期待してステロイドを。
 
食べないとこのままダメになっていく・・・と。
 
ざわざわした気持ちのまま帰宅しました。
その時は涙は出ませんでした。
 
その日の夜は、悲しくて不安で眠れなかったし、胸水のせいで呼吸が浅くなってるハルを見て涙が滝のように出ました。
明日仕事だから寝ないと・・・と思っても、目を閉じても涙が止まりませんでした。
 
13年、ハルはいままでずっと幸せに生きてきました。
私が上京して数年後、一番仕事が辛くて大変だったときに出会いました。先輩の家で生まれた仔猫をみて、直感でハルを選びました。
人懐っこく、問題行動もなく、とても育てやすい性格でどんなときも一緒。
私にとって、究極の癒やしであり、たったひとりの(一緒に住んでる)家族でした。
実家の北海道に一緒に飛行機で行ったり、引越も何度もし、あとに同居するようになったネコたちのお世話もすすんでやる優しい性格。
だから、みんな、ハルのことが好きです。
 
ハルの生活は、食べるものも、遊ぶものも、寝るところもあり、大きな病気もせず、満ち足りていたと思います。
老いは必ずくるし、病気にもなる。人間よりも速いスピードでネコの時間は流れ、必ずお別れの時はくる。
 
頭では十分にわかっていました。
しょうがないことなんだと。
だれも悪くないんだと。
 
でも、実際にこの前まで元気だったハルが、食べず、横たわり、苦しそうに呼吸しているのを見るとかわいそうで、胸が押しつぶされそうになります。
 
自分で落ち着こうと思っても、ふと元気なハルの姿が頭をよぎりそんな元気なハルには戻れないかも知れないと思ってまた涙がでるのです。
 
ネコのリンパ腫は完治はなく、たぶんここまでくるとあとは残された時間のQOLを上げる目的での治療になります。
だから、なるべくハルが痛みや苦しさから開放されることだけを考えて、私達も頑張らなければ・・・と思うのです。
 
夫がいてよかった。
一人だったら・・・・。かなりキツイです。
悲しみを一緒に背負ってくれる人がいてよかった。
前向きな気持ちを奮い立たせてくれる人がいてよかった。
 
精神的に参って家事不能になった私を気遣って、洗い物をしてる夫の後ろ姿を見ながら、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
 
ハルのこと③へ続く

f:id:harukainana:20150811202749j:image