ハルのこと④ 3回目の受診
ずっと食欲がなく、元気なときなら飛び上がって喜びそうなものを目の前に持ってきても反応せず、一日中ぐったりと横になっていた今週前半。
処方された利尿剤とステロイドが効いてきたのか徐々に食べ物に反応してきました。
ネットでヒルズのa/d缶という衰弱した犬猫用の、高カロリー高脂肪高嗜好性の缶詰があることを知り、すがる思いで近所のペット用品店で購入しました。
恐る恐るハルにあげてみると、いままとは明らかに反応がちがって、匂いをかぎ、下をぺろりとし、自分で食べ始めました。
その時のなんと嬉しかったことか!
もちろん量は少なく、少ししか食べれませんでしたが、それでも飛び上がるほど嬉しかったです。
先生に「とにかく、なんでもいいから食べさせて!」と言われているので、健康な時には滅多にあげなかった人間の食べるもの(シーチキンとかカニカマとか)や、各種「贅沢系レトルトフード」、「外はカリカリ中はとろ〜り」のシーバ、特濃牛乳、鶏のササミなど、手当たり次第食べさせてみました。
だんだん、ハルの食べれるものがわかってきて、そのうち、ハルの目つきもしっかりしてきて、シーバの袋のカサカサという音にも反応し、欲しがってくるようになりました。
「自分の口から食べ物を食べる」という、当たり前のことができなかったいままで。
それができるだけで、こうも顔つきが変わるのか!というくらい、目には少しずつ輝きが戻ってきました。
ここ数週間聞いていなかったハルの仔猫のような可愛い鳴き声を聞けました。
毛づくろいをしている姿を見ました。
ゴロゴロと甘える顔をみました。
こんな、元気だった時には当たり前でなにも思わなかった仕草一つ一つに、今は愛しさが募ります。
素人判断では腹水も更に減ったように感じたし、呼吸も楽そうに思えました。
なので状態改善してるだろうという期待で今朝3回目の受診。
「レントゲンの結果、腹水はあまり変化なし、胸水はむしろ増えているかもしれない。胸水を抜く処置をしてもいいけど、ストレスでせっかく出てきた食欲がまた減退するかもしれない」
ということで、なるべくハルの負担が少ないことを考えて、利尿剤の内服を増やすことにしました。
そして引き続きなるべく食べさせて、とのこと。
ハルは具合が悪くなってから、たいていの時間をベッドの下で過ごしています。
なのでハルの姿はベッドの下を覗かないとわからないのですが、そこが落ち着くのであれば、そうさせてやりたいと思い、今日は夫と二人でベッドをずらしで寝室の大掃除をしました。(引っ越しした以来のホコリがたまっていて・・・(*_*; )
ちょっとしたことで落ち込んで
ちょっとしたことで希望をもって
ちょっとしたことで感謝と感動をして
ハルとの時間を過ごしています。
「こんなに辛いなら死んだほうがいい」とか「そんなに辛い思いをしてまで生きたくない」とか人間は思います。
でもこれって人間特有の高次元の感情なんですよね。
動物はきっともっとシンプルで、命ある限り死にたいとも思わないしもっと生きたいとも思わない。とにかく生をまっとうする。
なので、生死にたいして迷いはないのかもしれません。
だから、愛するペットの死に際して右往左往しているのは人間の勝手でむしろそれに付き合ってくれてるのかな?なんて考えたりします。
それでも、きっと私はハルの少しの変化に一喜一憂しながら毎日を過ごすと思います。
寝室のベッドの下にいるハルの黒く柔らかい毛に、夕陽が差し込みキラキラしています。いつもよりちょっと速い呼吸の上下に、まだもう少し一緒にいられる希望を見つけたい。
次の受診は一週間後です。
ハル&ハル 2012年8月4日