ハルのこと⑥ 

ハルがリンパ腫の診断を受けてから2週間、食欲がもどってきてから約10日。

今日は病院でレントゲンと血液検査をしてきました。

 

レントゲンの所見では、右肺の胸水は不変、左肺の胸水はすこし減ってるかもと。

腹水もすこし減っているようで利尿剤は効いているとの見立てでした。

 

血液検査の数値は2週間前よりだいぶ良くなっているが、依然、貧血であることには変りない状態でした。

 

自分なりにネコに対する抗がん剤治療のことを調べました。

北大獣医学部によるまとめがとてもわかりやすく勉強になりました。

http://www.vetmed.hokudai.ac.jp/VMTH/department/oncology/info/info1.html

 

まとめるとこんな感じかと思います。

・ペットのリンパ腫への抗癌剤治療は、その目的が「根治」ではなく「寛解」である。

・一般的に人への抗がん剤治療のような強い副作用は出ないことが多い。

・あくまでもQOLを上げることが目的である。

 

また抗がん剤のメカニズムとして

抗がん剤は腫瘍だけに効くというわけではなく、腫瘍を含めた分裂をする細胞をみつけてその細胞を叩く。

・健康な状態でも細胞分裂をしているのは、骨髄細胞、腸の粘膜細胞、毛根の細胞が代表的

・骨髄細胞がダメージを受ける→骨髄抑制(免疫が下がり感染しやすくなる)

・腸の粘膜がダメージを受ける→消化器毒性(吐き気や食欲不振)

・毛根の細胞がダメージを受ける→脱毛

 

副作用も怖いけど、あくまでもQOLを上げるのが最重要とされるのが動物への抗がん剤治療なのであれば、ハル本人の苦痛緩和のためには抗癌剤治療もいい選択なのではないかと思うようになってきました。

 

ところが、血液検査の結果をみながら、今後の治療方針について主治医の先生とお話ししたところ、おそらくリンパ腫が原因と思われる貧血がまだまだ強く、この状態で抗がん剤を打つと、骨髄抑制でさらに貧血が悪化し命取りになる危険性がある。

 

現状はステロイドが効いていて、残された日々のQOLを上げるという目標は達成されているので、リスクの多い抗がん剤治療をするよりこのままステロイドで様子見たほうがいいとのこと。

 

だだ、ステロイドも耐性がでてくるので(個体差あり)、いつか効かなくなってまた症状が悪化すると思われる。その時がハルの寿命と思ってもらったほうがいいと・・・。

 

いろいろな考え方があるのだとおもいますが、主治医の先生の考え方はとても論理できだし、ハルや私達の気持ちも汲んだうえでそのように話していただき、とても納得できました。

 

先生の今日のお話で印象的だったのは「状態悪化し、食べれなくなっても強制給餌や胃瘻(お腹に穴を開けて直接栄養を流し込む)をしてまで生かすのは、どうでしょう・・・。それはハルちゃんにとって延命措置と呼ぶのかもしれない。食べれなくなったときが、その時だと思います。いまはまだハルちゃんは「食べたい!生きたい!もっとみんなといたい!」と思っている。その気持を叶えてあげるのが今やっている治療で、決して延命措置ではないです。」

 

 

胸水のせいで呼吸が浅く、苦しい顔をすることもしばしばのハル。

でもご飯もよく食べ、毛づくろいや爪とぎなど、普段の行動もするようになりました。

このままステロイドと利尿剤がずっと効いてくれればいいのに・・・。

そして、気づいたら腫瘍が無くなってたらいいのに・・・・って、それはないけど・・・。(TдT)

 

効かなくなってきたら・・・と思うと覚悟がいります。

だから今できることをハルにしてあげたい。

おいしいご飯をいっぱい食べて、一緒に寝よう。

窓の近くでひなたぼっこしよう。

(=^・^=)

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